インスリンとは?
膵臓のβ細胞から分泌される血糖を下げるホルモンです。インスリンは、血液中の糖をエネルギー源としてからだの細胞内に移動させます。これによって血液中の糖(血糖値)が下がります。
インスリンの分泌や作用不足により、高血糖が持続する糖尿病が発症します。
インスリン治療
自分の膵臓から分泌されるインスリン(内因性インスリン)の分泌が障害された時に、からだの外部からインスリン(外因性インスリン)を補ってあげる治療法です。
現在のところ、飲み薬や吸入薬はなく注射薬しかありません。患者様ご自身が注射をして治療を行っていきます(自己インスリン注射)。
インスリン治療外来
これまで、インスリン治療の導入や見直しは入院することによって行われることが少なくありませんでした。入院による治療は集中的な治療が出来る反面、1週間以上の入院期間が必要となり、第一線で働いている忙しい方々にとって時間的な負担が大きくなります。
十分な知識と経験をもつ糖尿病専門医の元であれば、インスリン治療は外来で安全に行うことが出来ます。
当院では、患者様のメリットを第一に考えたインスリン治療外来をおこなっています。
インスリン治療によくある質問&回答
インスリンを打ち始めると一生打ち続けないといけないのですか?
高血糖自体がインスリンの分泌を低下させたり、働きを悪くすることがあります(糖毒性)。インスリン注射をはじめる事で、血糖値が改善し、この毒性が解除され膵臓をはじめとする臓器の機能が回復し、インスリン注射を行わなくてもよくなる場合があります。
インスリン注射は痛くありませんか?
インスリン注射の針は改良が進み、最新のものは通常の静脈採血に使う針の20分の1以下の大きさです。そのため、ともなう痛みは極めて軽微なものです。
インスリンを打つというと「とうとう終わり」というイメージがあるのですが?
内服薬を長期間、たくさん使った後に、それでも効果がない例に最後の手段としてインスリンが使われていたことが昔は多くありました。しかし、現在は膵臓のインスリン分泌機能が温存されている早い時期から使う「攻めのインスリン治療」が多く行われています。
膵臓の機能が落ちてくる最後まで待つのではなく、早期にインスリンを使い膵臓の疲弊を防ぎ、回復させるのが最新の糖尿病治療です。
注射の手技は複雑で難しくないでしょうか?
注射の手技は簡単で1-2分で完了します。ほとんどの方が1回の指導で打てるようになります。当院では、おひとりで出来るようになるまで繰り返し指導します。