当クリニックの院内報「GYC通信Vol.4」を発行しました。今回は「食後高血糖予防のための最強の食べ順」です。
第3回銀座ヘルスヘアトーク 開催
9 月29 日(土)に、日本調剤銀座泰明薬局にて、第3 回銀座ヘルスヘアトークを日本調剤銀座泰明薬局と共同開催致しました。雨が降り、お足元の悪い中約25 名と多くの方々にご参加いただきました。第3 回目の今回は、日本調剤銀座泰明薬局の増田管理栄養士より「話題の“ロコモ” とは?!~延ばそう 健康寿命!~」、当院の望月管理栄養士より「食後高血糖予防のための最強の食べ順」の2 テーマについてお話し致しました。
自覚症状のない食後高血糖とは
食後高血糖とは、空腹時の血糖値は正常でも、食後にのみ血糖値が急上昇することです(図1)。血糖の変動が針のように見えるため、血糖値スパイクと呼ばれることもあります。
食後高血糖は、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化といった血管病、がん、認知症など様々な疾患の発症リスクとなるため、予防することが大切です。
原因として、食事では糖質の過剰摂取、早食い、食べる順番、他には運動不足や睡眠不足、ストレスがあげられます。今回は、食事の食べる順番について当院の望月管理栄養士がお話し致しました。
食後高血糖を予防するベジファースト
ベジファースト:食物繊維の豊富な野菜から食べ始める
食物繊維を先にとることで、小腸での糖の吸収をゆっくりにし、食後の高血糖を抑えると言われています(図2)。
ベジファーストを極めるために
ベジファーストの効果を最大限に高めるのに望月管理栄養士がすすめることが2つあります。
1つ目は、1口20回噛んで15分かけて食べることです。せっかくベジファーストをしているのに、5分で食べ終わってしまっては意味がありません。
2つ目は、野菜と一緒に油をとることです。脂質を一緒にとることで、糖質の吸収をゆるやかにして血糖値の急上昇を抑えられると考えられています。
ベジファーストのポイント
●食物繊維の豊富な食材を選ぶ:野菜、大豆、きのこ類、海藻類
・1回量:100~200g
●よく噛んで15分以上かけて食べる
・噛み応えのある食材を選ぶ:きゅうり、大根、セロリ、ゴーヤ、ブロッコリー、カリフラワーなど
・調理方法:食材は大きめに切る、硬めにゆでる
●適量の油を一緒にとる
野菜がない時はカーボラストを
カーボラスト:炭水化物の前に肉や魚料理を食べる
ベジファーストと同様に食後の高血糖を抑える効果が期待できます。
毎食野菜をとるのが理想ですが、野菜に飽きてしまったときや野菜がどうしてもない時には、肉や魚を先に食べるようにしましょう。最近はコンビニやスーパーにサバ缶やサラダチキンなどのすぐ食べられるものも販売しているので、上手に活用しましょう。
<まとめ>
食後高血糖予防のための食べ順3か条
①野菜→ 肉・魚 → 炭水化物の順に食べる
②食事時間は1食15分確保
③野菜は100g以上(両手1杯くらい)
主食とおかずをバランスよく食べる三角食べよりも、野菜や肉・魚を先に食べて最後に主食やデザートが出てくる懐石料理やフレンチなどのコース料理の方が食後高血糖を予防するためには、とても理にかなった食べ方だと言えます。すぐに始められるべジファーストを取り入れて、様々な病気のリスクとなる食後高血糖を予防しましょう。
臨床検査技師コラム
からだを老化させるAGEs
AGEs(Advanced Glycation End-products:最終糖化生成物)という言葉をご存知でしょうか。これは、食べ物に含まれる糖質が体内のたんぱく質と結合(糖化)してできるものです。AGEsは糖質の過剰摂取だけでなく、揚げ物や炒め物でも発生します。揚げ物や炒め物は油の温度が170℃~200℃と高いため、AGEsが大量に発生するのです。これを体内に取り込むことにより、からだがどんどん老化していきます。
◇AGEsがからだに溜まるとどうなるのか
AGEsがからだ(具体的には血管)に溜まっていくことで徐々に血管の内側が厚くなり、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が進むことで血液の流れが悪くなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性が高まります。
◇AGEsを増やさないようにするためには
・一度に大量の糖質をとらない(お菓子や清涼飲料も注意)
・揚げ物や炒め物は控え目にする
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