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GYC通信Vol.9発行

当クリニックの院内報「GYC通信Vol.9」を発行しました。特集は「新型コロナウイルス感染リスクと糖尿病」と「糖尿病と熱中症の関係」です。是非ご覧ください。


新型コロナウイルス感染リスクと糖尿病

世界で約850万人以上の感染者が出た新型コロナウイルス。

日本でも17,000人以上が感染し、953人が亡くなっています(2020年6月22日時点)。


糖尿病と新型コロナウイルス感染の関連性については多く報道されています。いずれも糖尿病患者であった、28歳の力士 勝武士さんが亡くなったことや、アカデミー賞受賞俳優のトム・ハンクスさんが感染し生死をさまよったことは、記憶に新しいと思います。


新型コロナウイルスと糖尿病の関係性

医学雑誌The New England Journal of Medicineでは、新型コロナウイルス感染で重症化しやすいのは、「高齢(65歳以上)、肺疾患、心疾患、糖尿病、肥満、免疫不全、腎疾患、肝疾患、喫煙など」と挙げています。また、米国疾病予防管理センター(CDC)によると、新型コロナウイルスを罹った肺炎患者のうち、1/3から1/2が糖尿病や高血圧、心臓の病気などの疾患をもっていたことが知られています。


なぜ糖尿病がハイリスクなのか?

世界糖尿病連合(IDF)によると、糖尿病の方は高血糖により、血液の白血球中にある好中球の防御機能が弱まっている状態にあるため、血糖コントロールが良くないと体がウイルスや細菌に対して十分戦えなくなってしまう可能性があるといわれています。


糖尿病患者全員がハイリスクではない!

中国の武漢大学人民病院 Lihua Zhu氏の調査では、2型糖尿病で血糖値が70~180mg/dLの範囲内でコントロールしている患者は、180mg/dLを超えている患者に比べ、新型コロナウイルス感染による死亡リスクを抑えられることが明らかになりました。


こまめな手洗いやうがい、アルコール消毒、3密を避ける、マスクを着用するといった一般的なウイルス予防に加えて、定期的な通院により良好な血糖コントロールを維持することが大切です。糖尿病をよく知り、「正しく恐れて」コロナ感染を予防しましょう。


糖尿病と熱中症の関係

高温多湿の環境に長時間いることで、熱が体内にこもって体温調節機能が狂ったり、大量に発汗して体内の水分・塩分のバランスが崩れたりして起こる症状を「熱中症」といいます。熱中症の初期症状として、めまいや顔のほてり、一時的な失神などがあります。熱中症のサインに気がついたら、重症化させないため早期に適切な処置を行うことが大切です。


糖尿病の方は熱中症になりやすい!?

糖尿病の方が熱中症に特に注意しなければならない理由は、高血糖による脱水症状です。糖尿病で血液中の糖が多くなり過ぎると、腎臓は糖を多量の水分と一緒に尿として排出するようになり、尿の量や回数が増えます。さらに、長年血糖コントロールが悪く神経障害が起こっている方は、暑いときでも汗をかきにくくなって体温調節機能が低下していることがあります。


糖尿病の方の熱中症予防のポイント

・こまめに、のどが渇く前の水分補給

・水分補給には水や麦茶などのノンカフェイン飲料がおすすめ

・利尿作用のあるコーヒーや緑茶、

・アルコール飲料での水分補給は×

・糖質の多いスポーツドリンクでの水分補給は×

・塩あめは大量に汗をかいた時のみ

・一日1~2 Lの水分補給(心・腎機能低下の方は除く)

・起床時、入浴前後、就寝前に水分補給

熱中症環境保健マニュアル2018より改変


マスク着用で熱中症リスク上昇

高温多湿の環境の中でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるため、以下の注意を守りましょう。

・屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずす。

・マスク着用時は、強い負荷の作業や運動は避ける。


今年も厳しい暑さが予想されますが、熱中症と新型コロナウイルス両方の対策をしっかりとして夏を乗り切りましょう。


厚生労働省HPより引用
厚生労働省HPより引用

 

夏の定番野菜ピーマンの知られざるパワー


赤ピーマンで免疫力UP

ピーマンは通常緑色ですが、他に黄色・赤色のものがあります。それらの違いは「完熟度」です。ピーマンは熟れるにつれて、緑色、黄色、赤色と変化します。


ピーマンのビタミンC・ビタミンEは完熟するほど含有量が増えるため、緑・黄・赤の順で多くなります。また、赤ピーマンのβカロチンは黄ピーマンの4倍以上多く含まれます。ビタミンC、ビタミンE、βカロチンは強い抗酸化作用がるため、老化予防や免疫力を高めることに効果的です。新型コロナウイルスが流行している今、これらの栄養素を多く含む赤ピーマンは、ぜひとも摂っていただきたい野菜です。


日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用
日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

油で効率よく吸収!

ビタミンEとβカロチンは油に溶けやすい性質です。油で炒める、ドレッシングをかけて食べるなど、油と一緒に摂ると、効率的に栄養素を摂ることができます。


わたと種は捨てちゃいけない!?

ピーマンのわたや種に多く含まれるピラジンという匂い成分は、血液サラサラ作用があり、脳梗塞・心筋梗塞などの動脈硬化予防効果が期待できます。このピラジンは、ピーマンの果肉に比べてわたや種の方が約10倍多く含まれています。わたや種は食べても問題がないのでそのまま料理に入れてみてはいかがでしょうか。


輪切りで栄養価down

ピーマンの細胞は縦に並んでいるので横へ輪切りにすると、細胞が壊れピーマン特有の匂いが放出されるだけでなくピラジンの効果も低下してしまいます。そのためピーマンを切るときは縦長の細胞を壊さないように縦の包丁を入れるとよいです。


おすすめはカラフル青椒肉絲

ピラジンをしっかり摂れる縦切りで、油を使って炒める青椒肉絲は、最適メニューです。赤・黄ピーマンも使うことで見た目が色鮮やかになるだけでなく、栄養価が高まります。種やわたもそのまま入れて、ぜひ作ってみてください。






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